高血圧の薬とグレープフルーツを一緒に食べてはだめ
高血圧を放置しておくと、動脈硬化、虚血性心疾患、脳卒中などの病気になる可能性があるため、早めに治療しないといけません。
血圧の薬(降圧剤)を処方され飲む場合、グレープフルーツを食べてはダメと言う事を聞いたことがあると思います。だけど理由を存知ですか?
また、血圧の薬の種類によっては、グレープフルーツが大丈夫な薬もあるんです。
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高血圧の薬とグレープフルーツがダメな理由。
日本で高血圧の人に処方される薬は「カルシウム拮抗薬」の使用が一番多く、この薬がグレープフルーツとあわさると副作用を起こします。
カルシウム拮抗薬の名前を一部紹介しますと、ノルバスク、アムロジン、アテレック、アダラート、カルブロック、バイロテンシン、バイミカード等です。
なぜカルシウム拮抗薬とグレープフルーツの組み合わせが危険かと言うと、カルシウム拮抗薬は「CYP3A4酵素」によって分解代謝されますが、グレープフルーツには、「CYP3A酵素」を強力に阻害する「フラノクマりン」を含んでいるのです。
「フラノクマリン」のせいで薬の成分が体の中に大量に残ってしまい、カルシウム拮抗薬の効能である血管拡張作用により、頭痛、顔面紅潮、動悸などの症状や、最悪の場合突然死の可能性もあります。
薬によっては2~4日位作用が持続するものがあります。グレープフルーツは、摂取後24時間程度影響が続くので、影響がないように食べるということは困難ですし、摂取量も関係ありません。
高血圧の薬以外でグレープフルーツと相性の悪い薬。
肺高血圧症に用いる薬(トラクリア錠62.5mg)。
慢性動脈閉塞症、脳梗塞などに用いる薬(プレタール錠50mg・100mg)等も、グレープフルーツとの飲み合わせが悪いので、薬服用中は食べない様にしましょう。薬を処方されたら注意事項をよく聞きましょう。
高血圧の薬とグレープフルーツ以外の果物の関係は?
高血圧の薬と言うよりは「カルシウム拮抗薬」を飲んでいる方は、グレープフルーツはダメな果物です。
また他の果物では、ブンタン、スウィーティー、ダイダイ、夏みかん、ポンカン、いよかん、絹皮、金柑、八朔等も良くないので、控えたほうが良いでしょう。
「カルシウム拮抗薬」の中でも、グレープフルーツとの相互作用で影響が強いものと弱いものがあります。
薬の作用には個人差があるのですが、ノルバスク、アムロジンはグレープフルーツを食べても影響が少ないと言われています。グレープフルーツ好きの方は、一度専門医に相談して下さい。
他の血圧の薬である、アンギオテンシンII受容体拮抗薬、ACE阻害薬、利尿薬、α・β遮断薬等は、グレープフルーツを食べても副作用は起きません。
反対に、同じ柑橘系のフルーツでも、バレンシアオレンジ、レモン、カボス、温州みかん、マンダリンオレンジは大丈夫だと言われています。高血圧の薬を処方されたら、飲み合わせの指示をよく聞き服用しましょう。