血圧を下げる食事

高血圧

血圧を下げる基本は食事、運動、薬の3つです。しかし、過ぎたるは及ばざるがごとしと言うように、過度に運動をしたり、良いと言われるものを過剰に摂取すると、逆に問題が生じるため適度を保つことが重要です。

3つの中で食事は最も重要ですし、自分で調整できる事なのでコントロールはしやすいはずです。高血圧について知ることと食事、運動、必要なら薬を服用しましょう

良く次のように言われていますが、思わぬ弊害も出ています。

最も重要なことは、食塩の摂取量を抑えること。日本人の平均的な1日食塩摂取量は11~12g程度といわれており、高血圧治療ガイドラインの目標とする6gの倍以上摂取していることになります。

ところが、逆に塩分を控えすぎる弊害が言わるようになっています。というのも減塩、減塩と言われても、塩分(ナトリウム)にはその役割があるので、少なすぎて健康に弊害が出ることがあります。

例えば寒い地方に高血圧脳卒中が多かったのは、塩の効いた漬物などたくさん食べていたからです。

青森県で脳卒中の人が少ない理由

りんごが脳卒中を減少させた青森県

しかし隣の青森県では脳卒中にかかる人は非常に少なかったという不思議な現象があったのです。

何故だと思いますか?

それは塩辛い漬物を食べてはいても「りんご」を食べていたからです。余分な塩分は、りんごに含まれるカリウムで排泄されていたのです。

ナトリウムにはナトリウムの役割があるのですから、減塩をしすぎても身体に悪いのです。必要なナトリウムは摂取しながら余ったものは排出していたということですね。

特に子供たちには適切な塩分を与えないと成長に弊害が出ます。ただし塩分とはいっても、カップラーメンのような即席物には、身体に悪い添加物や大量の塩分が含まれているので、なるべく避けましょう。

塩分制限しすぎは命に関わります

体の中でナトリウムが不足すると、細胞内や骨の中のナトリウムが細胞外に引き出されて塩分の濃度調整に使われます。

腎臓で濾過されたナトリウムが、尿細管で再吸収されて塩分不足を防ごうとします。

ナトリウム不足で起こる症状

1.めまいやふらつき

塩分が不足すると、汗や尿からナトリウムを排出するのを制限するようになります。同時に水分も調節するので、体の中の水分が減ってきます。

そうすると血液量が減るので、脳へ運ばれる酸素量が少なくなります。その結果、「めまいやふらつき」が起こるようになります。

2.食欲不振

体内の塩分が減ると、それも合わせて体内の水分も減ります。そうすると消化液も減るので、消化できる食物量が少なくなり栄養も不足してしまいます。

脱力感が起こってきたりします。

3.脱水症状や筋肉の異常

汗をかくと塩分もたくさん出ていきます。この時に水分だけを補っても、塩分濃度が低い状態に合わせようとして、水分を排出しようとします。

そうすると体内の水分が減ってしまって、脱水や熱中症を起こすようになります。筋肉の痙攣を起こすようになる事もあります。

4.昏睡

体内の塩分が一気に減るような行為、たとえば水の一気飲みなどをすると、神経伝達物質の分泌が減ってしまい、嗜眠状態、意識障害が起こります。

塩分摂取と高血圧の関係のない人もいます

更に塩分と高血圧の関係はないという研究まであるのです。昭和63年にアメリカ・シカゴにあるノースウエスタン医科大学のスタムラー医師が、食塩摂取量と血圧の関係について厳密な調査を行った結果、「食塩摂取量と高血圧発症率との関係はないか、あっても弱い」という結論に達したそうです。

ですから、一日6g以内という制限にも根拠はないことになります。最近は減塩を必要以上に言うあまり、塩分をなるべく摂取しないことが良いことと勘違いをしている人が増えているようです。これは全くの誤解ですし危険なので注意しましょう。

バランスのとれた食生活こそが大事なのです。減塩で問題となるのはミネラルの不足です。精製塩を購入している家庭が多いようですが、この精製塩はミネラルなど重要な成分を取り除いた塩化ナトリウムだけなので大問題なのです。

精製塩ばかりを摂取すると、ミネラル不足になりビタミンや他の栄養分の吸収も悪くなるので、代謝が悪くなるので大問題なのです。

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ミネラル(特にカリウム)が高血圧を下げるのに有効

ミネラル(特にカリウム)が高血圧を下げる

ミネラルには高血圧を下げる機能がある

カリウム、マグネシウム、カルシウムをたくさん含む食べ物が高血圧を下げるのに効果的です。それに食物繊維には体内での塩分の吸収を抑える働きや動脈硬化予防の働きもあります。

現代人の食事はカリウムがとても不足してる

カリウムは余分に摂取したナトリウム(塩分)を体の外に排泄する働きがあると同時に、血管を拡げるはたらきがあるので血圧が下がるのです。

厚生労働省は2005年「日本人の食事摂取基準」内で、生活習慣病を予防するためには、それまで1日2000mgだったカリウム摂取基準量を1日3500mg摂取が望ましいとする新基準量が設定されました。

カリウムの一日摂取量 3500mg

日本人のカリウム平均摂取量は2389mgなので、更に一日平均で1200mgを摂取する必要があります。(ただし人工透析を受けるレベルの腎障害では1日2000mg以内に抑えるのが望ましいです。)


バナナで摂取するとしたら、バナナ1本400mgなので3本必要ですが、1種類から摂取するのでなくて、色々な食材から摂った方が良いのです。

塩分を控えた食事だけでなく、カリウムをたくさん含んだ食品を食べることで血圧を下げる効果があるので、上手に使いましょう。
腎臓が不調の場合は以下のように注意してください。



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