夜間高血圧の原因

正常な人の血圧は、夜就寝中が1日の中で一番低く、安定した状態になります。このパターンを外れ、夜に血圧が下がらない状態が「夜間高血圧」です。診察や家庭での血圧測定では、発見できません。

夜間高血圧

夜間高血圧のタイプ

夜間高血圧は、昼間より夜間のほうが血圧が高くなる、夜間昇圧型と、夜間に血圧があまり下がらない、夜間非降圧型の2タイプに分かれます。

どっちの場合も、脳、心臓、腎臓などの臓器に負担がかかり、病気を引き起こします。早朝高血圧の中には、夜間高血圧が朝まで続く「夜間高血圧持続タイプ」の人もいます。

夜間高血圧は、1日の血圧を測る24時間自由行動下血圧測定か、夜間の血圧を自動的に測定できる家庭血圧計で睡眠中の血圧を測定します。

測定結果の平均が、上の血圧120mmHg以上または下の血圧70mmHg以上の基準を満たしていると、夜間高血圧と診断されます。食事の減塩や、利尿薬が処方されます。

夜間高血圧を引き起こす原因

夜間高血圧を引き起こす原因には下記の原因が考えられます。

1、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害がある。
2、心不全や腎不全などによって、体内の血液量が増加している。
3、糖尿病などによる自律神経障害(起立性低血圧など)の症状がある。
4、抑うつ状態がある。
5、認知機能低下、脳萎縮、脳血管障害などの脳の病気がある。

普通健康的な人の基本的なリズムは、就寝中は副交感神経が活発に働いて体はリラックスモードに入り、血圧は低い状態になります。

そして起床後に血圧を上げるホルモンが分泌され体は活動モードに入ります。

しかし、夜間高血圧というのは、夜中に下がるべき血圧が下がらない状態です。リラックスモードに入らず、体は休まらないのです。

夜間高血圧の傾向

夜間高血圧の傾向の一つに、寝ているときに気道が狭くなって呼吸が止まる、睡眠時無呼吸症候群があります。

中には数分間も呼吸が止まってしまう人もいて、就寝中も体は休まらず、血圧も下がらないことが多いです。

睡眠時無呼吸症候群になると、夜間高血圧の他、血液が濃くなる多血症という病気になる可能性もあります。

このほかにも夜間高血圧になる病気としては、自律神経失調症、心不全、脳梗塞、糖尿病、腎臓病などがあり、自律神経失調症は比較的夜間高血圧を引き起こしやすいと言えます。

自律神経失調症は、多くの場合不規則な生活、ストレス、疲労などが原因で、気を付けておかないと誰でもがかかってしまう恐れがあります。規則正しい生活とストレス発散を心がけて自律神経を整えることが大切で、もし夜間高血圧になってしまった場合には、医師の指導を守る事は勿論ですが、原因を解決することで治療出来ます。

夜間高血圧の危険性

日中に高血圧である場合と夜間に高血圧である場合にはどちらが危険であるかという研究の結果、夜間に高血圧の方が死亡率が高い事が分かっています。脳や心臓の血管に異常が起きるのも朝が一番多いです。

理由の一つは、朝は低くなった血圧を上げる為ホルモンが作用するところを、低くなっていない血圧に対して血圧を上げるホルモンが分泌されることです。他に、夜間も昼間も高血圧で、心臓に大きな負担をかけている事も理由です。

夜間高血圧は原因になっている疾患を改善すればよくなります。