本態性高血圧の治療
本態性高血圧とは生活習慣病です。生活習慣のチェック、運動、食事で血圧は安定します。
日本における高血圧患者の数は、4000万人以上といわれ、まさに国民病なのです。
ひと口に高血圧といっても、本態性高血圧と二次性高血圧の2種類があり、高血圧の9割は本態性高血圧です。
本態性高血圧には、病気などの明らかな理由がなく、遺伝的素因と環境因子が原因に挙げられます。その中でも、生活習慣の問題が大きいようです。
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本態性高血圧は原因が特定ができない生活習慣
心臓は、全身に酸素や栄養素を送っています。その際、血液が血管にかける圧力が血圧です。高血圧は、心臓からの血液量が多くなった場合や、血管が狭くなった場合に、血液の流れが悪化した結果起こります。
血圧には、心臓が収縮することで血液を送り出したときの最高血圧と、心臓の血液が戻った時の最低血圧の2種類があり、2016年時点では最高血圧が135mmHg以上、最低血圧が85mmHg以上が高血圧とされています。
高血圧の数値は、160以上を高血圧としていた時代に比べれば年々低くなる傾向があり基準が下げられるたびに患者数がかなり増えます。医療機関や製薬業界からの影響がないとは言えないでしょう。
それはともかく、はっきりとした理由がなく高血圧が続くと、心臓、脳、腎臓、血管、眼底等に、疾患が出る危険が高くなることが分かっています。そのはっきりしない原因として考えられるのが、
・遺伝的素因 :体質的に高血圧症になる素因は遺伝する
・環境因子 :食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレス、喫煙などの生活習慣の影響
*食塩の取りすぎの害が盛んに言われますが、個人差が非常に大きく、殆ど影響しない人もいるので誰にでも当てはまるものではありません。
本態性高血圧は、血圧を上昇させる要因が複雑に絡み合い発症すると考えられます。
本態性高血圧の症状
健康診断や他の疾患の診断・検査等で、血圧測定をして気がつく人が多いです。
高血圧の自覚症状としては、
・頭痛
・めまい
・肩凝り
・むくみ
・動悸
・倦怠感
これらの症状は高血圧特有のものではありません。ですから、むしろ高血圧の症状だと気がつかないうちに高血圧は進んでしまい、結果、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などを起こす危険があります。
本態性高血圧の診断方法と治療法
血圧の測定をします。1回だけではなく別の日を含めて、病院内と家庭で数回測定します。血圧は時間や場所などによって変わります。現在在宅で血圧をチェックすることが推奨されています。
病院でたまに計る程度では信頼性が低いからというだけでなく、早朝高血圧や夜間の高血圧が発見できないからです。血圧管理は自己責任ということですね。
本態性高血圧の治療に際しては、
・生活習慣の見直し
・食事療法
・運動療法
上の3つの方法で、血圧を135mmHg/85mmHg未満にするようにコントロールします。
また、腎臓病、糖尿病のある人は、130mmHg/80mmHg未満を目指し、下がらない場合は、薬物治療も考えます。
運動療法
生活習慣病、中でも高血圧に対しては、運動療法が有効であることが立証されています。運動する事で徐々に血圧上昇物質が減り、血圧降下物質が増える事で、血圧を下げることに繋がります。
運動療法の優れたポイントは、運動を中断した場合も、血圧がすぐに戻るようなことは起こらないことです。但し、収縮期血圧が160mmHg以上、拡張期血圧は105mmHg以上、狭心症、心不全、腎臓病、重度の眼底変化がある人は、運動療法の対象にはなりません。
有酸素運動である少し早足のウオーキング、ジョギング、水泳、水中ウオ―キングのような運動を、1時間程度。1週間に3~4回行います。毎日の場合は、運動時間を30分程度にしましょう。
食事制限
体重を1Kg減量した場合、最高血圧は1~2mmHg下がります。
できる限り正常体重を維持しましょう。
・適正なカロリー
・バランスを考えた食事
・減塩
以上3つがポイントです。
更に、高血圧対策として、日常的に気を付けなければいけない留意点としては、
・寒さ :寒暖差に気を付けましょう。(浴室、トイレ)血管の収縮が血圧を上昇させます。
・入浴 :寒い脱衣所、熱い風呂、長湯(風呂の温度は40℃、5~10分程度)は禁物です。
・排泄 :いきむのはNG。日頃から便秘予防に心がけましょう。
・睡眠と休養 :過労、緊張、精神的ストレスは血圧を上昇させるので、規則正しい日常生活をしましょう。
・喫煙 :喫煙は血管を収縮させ、血圧上昇、動脈硬化の原因にもなります。禁煙を考えましょう。
・飲酒 :大量飲酒は血圧を上昇させ、循環器系の疾患にダイレクトに影響を与えます。セーブしましょう。
本態性高血圧と薬物療法
非薬物療法を行っても芳しくない場合は、医師の元、薬物療法を行います。
高血圧の薬も安全で、効能があるものが多く開発されていますが、薬ですので必ず副作用があります。
これまでの既往歴やアレルギー、その他必要と思われる情報は必ず医師に伝えることが重要です。薬を自己判断で服用したり、しなかったりする人がいますが、逆に危険性が高まります。
必ず、主治医の指示に従って服用しましょう。コントロールがうまくいけば、私のように主治医と相談しながら薬の量を減らし、飲まずに済むようになるかもしれません。ポイントは勝手に止めないということです。